ノウハウ

ドローンの航空法(飛行ルール)について【2021年12月】

2022年より航空法の改正や免許制が正式に決定し、物流や警備など既存の職業への活用が本格化されていきます。
もちろん新しい知識も必要ですが、大前提として航空法を遵守することに変わりはありませんので、今回は改めてその内容や新項目を確認しましょう。

ドローン飛行場所に関する規制

航空法132条ではドローンを特定の場所や方法で飛行させるには見た目や大きさではなく機体重量が200gを超える機体は国土交通省・地方航空局への申請と許可を得る必要がある。または完全に禁止されている場合があります。 ※2021年12月現在
詳細は以下の通りです。

まずはドローンの飛行場所に関する規制についてです。

【空港の周辺】
各空港の滑走路を中心に最大直径48kmの円形で設定されています。
しかし48km以内全域で禁止されているわけではなく、飛行予定地や高度等の条件によっては高度150m以下であれば飛行可能な場合があります。
 
【緊急用務空域】
2021年6月に追加されたばかりの項目です。
山火事や土砂崩れ等の大規模災害や事故が発生した際、国交省からその地域が「緊急用務空域」と指定されます。
緊急用務空域では警察・消防・自衛隊等が消化や救助作業を行います。
そこに一般のドローンが飛行すると接触事故や墜落の危険性が発生しますので、
指定後は速やか撤収または接近しないようお願いします。
 
指定地域は国交省のホームページまたはツイッターの公式アカウントで発表されますので、
飛行前や休憩中に設定されていないか確認しましょう。
 
※こちらはその名の通り「緊急」時に設定されるものですので、まとまった期間や場所で取得可能な「包括申請」には含められませんのでご注意ください。
 
【150m以上の高さの空域】
現状ドローンの飛行高度は150m以下となっています。
現行機は優秀なものが多いため150m以上の到達は容易ですが、同じく航空法の別条文でヘリや航空機の最低高度が150mとなっておりますので、接触を避けるために150m以下での作業が前提となります。
 
【人口集中地区(DID)】
5年に1度の国勢調査で調査し、1㎢あたり4000人以上人口がある地域が人口集中地区と設定されます。
代表的なのは東京で、奥多摩方面を除きほとんどが該当しますので以下の飛行方法も含めかなりの範囲で飛行が制限されます。
 
飛行可能地域は「ドローンを飛ばせる場所の探し方」の記事でもご紹介しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。

また、航空法とは別に以下周辺についても航空法とは別に、「小型無人機等飛行禁止法」において飛行が禁止されています。
合わせて注意してください。

・国の重要な施設等(国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居・御所、政党事務所等)
・外国公館等
・防衛関係施設
・原子力事業所

ドローン飛行方法に関する規制

次にドローンの飛行方法についてです。

【夜間飛行】
ドローンが飛行できる時間は明確な時刻ではなく、「日の出〜日没時刻」に設定されています。
ですので夜景の撮影では必須、冬は日照時間が短いため職種に問わず必要な可能性が増えてきます。
さらに夜間飛行は「追加飛行形態」と呼ばれ、DPA(ドローン操縦士協会)で取得可能な
回転翼3級のような基本的な訓練に加え、専用の訓練とライセンスカードへの追記が必要となります。
 
【目視外飛行】
基本的にドローンの飛行は視界の中で見えている「目視内飛行」となっています。
モニターを見るために機体から目を逸らす、建物等の障害物の影に隠れる等、視界から見えなくなる場合はすべて目視外飛行となります。
具体的な距離も決められていないため、どんな近距離であっても目を離した時点で目視外飛行となります。
 
こちらも夜間飛行と同じく専用の訓練とライセンスカードへの追記が必要となっています。
 
【30m未満の飛行】
ドローンの飛行時は「人・建物・車等から30m以上距離確保が必要」となっています。
こちらは専用の訓練は必要ありませんが、30mはマンション10階程の距離でかなりの距離感があります。
作業内容にもよりますが特に点検では対象物に5mほどまで接近することもありますので、趣味や仕事問わず許可取得をおすすめします。
 
【イベント上空飛行】
コンサートやお祭り等、催し物場所の上空も許可が必要です。
こちらは2017年11月に事故があって以来、条件が厳しくなりました。
許可申請は国交省へ行いますが、イベント主催者や会場との事前打ち合わせや条件提示の記入が必要となります。
上記の3つよりも手順が増えますので確認漏れに注意しましょう。
 
【危険物輸送】
爆発物・毒物等の輸送(ドローンでの持ち運び)は禁止されています。
搭載する物の特性上、一番厳しくなっており「真に必要と認められる飛行」という他にはない条件も加えられています。
現状の日本では「農薬散布」もこちらに該当するとされており、農家の方がドローンを使用する際は必須となります。
 
【物件投下】
物を持ち運び到着先でそれを落とす、という行為は禁止されており他項目同様許可が必要となります。
こちらは5回以上の実績が必要となりますので目視外飛行等同様、スクールでの練習をおすすめします。
 
国も将来的に物流に活用を想定していますが2021年12月現在、事業として許可されていませんので山奥や無人島での実証実験が活発に行われています。
 
以上が航空法で抑えておくべき基本的な点になります。
これらから自身の用途に合わせた内容で申請を行います。
申請内容にもよりますが「1年間・日本全国」というまとまった期間や場所で取得することも可能です。
 
全て把握することは難しいので疑問点や申請時の不明点はスクールにご相談ください。

機体登録制度が2021年12月20日~開始します!

2022年には大規模な改正が予定されていますが、細かな改正も度々行われていますので
国交省のホームページで逐次確認しましょう。
 
・申請用のサイト(DIPS)
https://www.dips.mlit.go.jp/portal/
ご自身の飛行に必要な項目が決まりましたら、国交省が用意している申請用のWEBサイト「ドローン情報基盤システム(DIPS)」で申請作業を行いましょう。
サイトの利用・手続きは無料で行えます。
利用する難易度が少々高めなので国交省の公式マニュアルやスクール等、詳しい方に聞いてみましょう。
 
・飛行日時が決まったら(FISS)
https://www.fiss.mlit.go.jp/top
飛行許可が完了し日程調整も終了したら最後に、「誰が・どこで飛行させるか」を登録する「飛行情報共有機能(FISS)」を利用しましょう。
DIPS同様無料で利用でき、2019年7月から登録が義務化されました。
現状登録を忘れた際のペナルティはありませんが、2022年度の法改正に合わせ登録漏れがあった場合飛行許可が取り消される可能性もありますので、今のうちから利用方法を抑えておきましょう。
 
・機体認証制度
最後にドローンの免許制と同時に決定した「機体認証」についてご紹介します。
決定した背景は、ドローンの操縦人口が増えている中、原則申請が必要なのは航空法に関わる部分のみとなっています。
そのため航空法適用外の地域では国交省が許可していない機体による事故が増えています。
そこで車検証のようにドローンも誰がどの機体を所有しているか完全に把握することが決定しました。

対象は100g以上の無人航空機(通常のヘリタイプやドローンも含む)で2022年6月から義務化され、2021年12月20日から事前登録が開始されます。
申請はインターネットまたは書類上で行います。
 
また、国交省への許可申請と異なり有料となります。
まだ金額は発表されていませんので、事前登録開始まで情報をお待ちください。
 
以上、現状の航空法と新情報のご紹介でした。
長い間準備されていたレベル4飛行に向けて具体的な動きが出てきましたので、改正後に乗り遅れることがないよう常に情報に目を光らせておきましょう。
 
国交省の発表では難しい文章も少々ありますので、ぜひ疑問点はドローンスクールお台場・新宿・渋谷の無料説明会&体験会にご参加ください。

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