ノウハウ

ドローンによる赤外線点検でわかること

今回はドローンを活用した点検の中でも今後期待されている「赤外線点検」に関して、何ができるのかをお伝えします。

①最初に赤外線とは何でしょうか?
赤外線とは、「可視光線より波長が長く電波より波長の短い電磁波」のことを指します。
つまり、人の目には見えない光のことです。
②赤外線カメラの構造
赤外線カメラは基本的に通常の可視光カメラと同じで、外からの光の「強弱」を内部のセンサーで検知し、見かけの温度分布を画面に表示します。
あくまで見かけの温度なので、カメラに近いところは温度が高く、遠い所は温度が低く表示されます。
③赤外線カメラで撮影する時の注意点
・太陽に向けない
太陽にカメラを向けてしまうと、赤外線がなによりも強いので内部のセンサーが故障の原因となります。

・②で紹介したとおり画面に表示されるのは「見かけの温度=いま画面で捉えている温度」なので、実際は高温なのにカメラから距離があると低温に表示されることがあります。
この仕組みを理解していないと撮影ミスやカメラの故障を疑ってしまいますので、ぜひ覚えておきましょう。

・反射の角度
①でお伝えしたとおり、赤外線は「目に見えない光」です。
故にガラスや金属は反射率が高いため、撮影する角度に気をつけないと不必要な映り込みが発生し故障箇所を誤認識してしまいます。
理想の角度は撮影対象面を正面にとらえ45°前後で、必要に応じてドローン本体や周辺物が映り込まないよう修正します。
④なにを撮影するのか
③までで赤外線の仕組みや注意点をお伝えしましたが、では実際に撮影するときになにを探すのかご紹介します。

・不連続部
まず温度の変化やヒビなど、種類に関わらず「不連続部」を探します。
つまり周囲の部分と比べて異常な箇所を見つける作業です。

・ホットスポット
ソーラーパネルの点検や外壁点検でみられる不具合です。
パネルの中に通っている電線がなんらかの原因で断線すると、そこが抵抗となり異常な高熱を発します。そこを赤外線カメラで撮影すると赤や白の斑点や帯状に表示されます。
 
外壁の場合はタイルの浮きで多くみられ、経年劣化で表面のタイルが内部のコンクリートから剥離します。
タイルが剥離すると通常は時間帯に合わせて壁の温度が変化していきますが、空気の層が発生することによってその熱がうまく逃げず浮きの中にこもります。
この部分がソーラーパネルと同じくホットスポットとして赤や白に表示されます。
 
赤外線点検は現場や職種によって手法等は変わってきますが、共通点は「異常がある疑いをもつ」ことです。
例えば、マンションの外壁の場合は撮影面の内部が風呂場だったりすると一時的に温度が上がっているだけかもしれません。
ソーラーパネルの場合は、背が高い雑草などが生えているとそこが影になって温度が低く見えている可能性もあります。
あくまで異常箇所を見つけた後は直接現地に向かい事実確認が必要になります。 
⑤撮影・点検後
撮影後には専用ツールを使用し解析を行います。
カメラの機種によりツールは異なりますが、主に触るのは以下の3つです。

・温度レンジ
これはカメラが捉えている範囲の最高温度から使用する温度レンジ(温度幅)を決定します。
例えば気温20度程度の部屋に人が立っている場合、カメラの中では人の体温が一番高くなるため、皮膚の部分が赤〜白(高温)に表示されます。
  
・温度スパン
温度スパンは撮影した赤外線画像の温度表示をより見やすくするために調整する箇所です。
例えば、画面表示をレインボー(約5色)にしていた場合、人の体温で赤〜白のみの高めに表示されますが、このスパン編集して温度差を小さくすると、同じ人体でも1度単位の細かい変化を色で表すことができます。

・カラーパレット
代表的なのはレインボーやアイロンです。
レインボーは白・赤・黄・緑・青の約5色で表され、日本で多く使われます。
アイロンは白・黄・紫の約3色で表され、海外で多く使われています。
パレットは国や職種によって分かれているわけではないため、より見やすいものを選びましょう。
以上が赤外線の概要と点検の基礎部分でした。
より深く知ると難しさを伴う分野ですが、その分できることやビジネスチャンスが広がっていきます。
すでにドローンを手に入れてる方や、同じドローンでもより特別なスキルを身につけたい方はぜひ挑戦してみてください!

またドローンを使ったお仕事についてどんなものがあるのか気になった方はこちらの記事をご覧ください。
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