ノウハウ
ドローンを飛ばすのに無線の資格は必要?
ドローンを飛行させる際には、プロポ(コントローラー)と機体を無線で接続して操作を行います。
法的には「電波を発する無線設備」に該当するため、電波法に基づいて「無線局の免許」「無線従事者資格」などが必要となります。
ただし、一般的なドローンについては、こういった無線の資格は必要ありません。
では、ドローンにおける無線の法的なルールがどのようになっているのか確認していきましょう。
法的には「電波を発する無線設備」に該当するため、電波法に基づいて「無線局の免許」「無線従事者資格」などが必要となります。
ただし、一般的なドローンについては、こういった無線の資格は必要ありません。
では、ドローンにおける無線の法的なルールがどのようになっているのか確認していきましょう。
1.電波法について
電波を発する無線設備に関するルールを定めているのが「電波法」です。
法の目的としては「電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」と掲げられており、無線局の開設(無線設備の使用)に対して、総務大臣の免許を受けることが求められています。
ただし、以下の項目に該当する場合は、免許を取得する必要はありません。
①発射する電波が著しく微弱である(微弱無線局)
②技術的条件に適合する無線設備を使った小電力無線局
では、それぞれについて細かく見ていきましょう。
①微弱無線局
無線設備から500mの距離での電波の強さが200μV/m以下のものが微弱無線局として定められています。
主に産業用で使われる農薬散布ラジコンヘリ等で用いられます。
②小電力無線局
小電力無線局は、空中線電力が1W以下で特定用途に使用される技術基準が認められた無線局を指します。
Wi-FiやBluetoothなどがこれに当たり、無線局免許や無線従事者資格は不要ですが、技術基準適合証明等を受けた無線設備であることが求められます。
これらの無線設備には「技適マーク」が付いているので確認してみましょう。
法の目的としては「電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」と掲げられており、無線局の開設(無線設備の使用)に対して、総務大臣の免許を受けることが求められています。
ただし、以下の項目に該当する場合は、免許を取得する必要はありません。
①発射する電波が著しく微弱である(微弱無線局)
②技術的条件に適合する無線設備を使った小電力無線局
では、それぞれについて細かく見ていきましょう。
①微弱無線局
無線設備から500mの距離での電波の強さが200μV/m以下のものが微弱無線局として定められています。
主に産業用で使われる農薬散布ラジコンヘリ等で用いられます。
②小電力無線局
小電力無線局は、空中線電力が1W以下で特定用途に使用される技術基準が認められた無線局を指します。
Wi-FiやBluetoothなどがこれに当たり、無線局免許や無線従事者資格は不要ですが、技術基準適合証明等を受けた無線設備であることが求められます。
これらの無線設備には「技適マーク」が付いているので確認してみましょう。
2.無線局免許や無線従事者資格が必要なケースは?
一般的に市販されているドローンにおいて、電波法が定める無線局免許や無線従事者資格の取得が求められるケースはほとんどありません。
ただし、海外から輸入したドローンだと「技適マーク」が付いていないことがあるため注意が必要です。
それでは、ドローンにおいて電波法で定められている無線局免許や無線従事者資格が必要となるケースには何が当てはまるのか見ていきましょう。
ポイントとなるのは「周波数帯」「送信出力」「利用形態」の3つです。
この3つの項目によって、免許や資格の必要性が異なるので注目してみてください。
①免許及び資格が不要な無線局
無線局免許・無線従事者資格を必要としない無線設備としては下記のものが挙げられます。
②免許及び資格が必要な無線局
無線局免許・無線従事者資格が必要となる無線設備としては以下のようになっています。
ただし、海外から輸入したドローンだと「技適マーク」が付いていないことがあるため注意が必要です。
それでは、ドローンにおいて電波法で定められている無線局免許や無線従事者資格が必要となるケースには何が当てはまるのか見ていきましょう。
ポイントとなるのは「周波数帯」「送信出力」「利用形態」の3つです。
この3つの項目によって、免許や資格の必要性が異なるので注目してみてください。
①免許及び資格が不要な無線局
無線局免許・無線従事者資格を必要としない無線設備としては下記のものが挙げられます。
周波数帯 | 送信出力 | 利用形態 | 備考 | 無線局免許 | 無線従事者資格 |
73MHz帯等 | 500mの距離において、電界強度が200μV/m以下 | 操縦用 | ラジコン用微弱無線局 | 不要 | 不要 |
920MHz帯 | 20mW | 操縦用 | 920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用特定小電力無線局 |
不要 ※技適マークが必要 |
|
2.4GHz帯 | 10mW/MHz | 操縦用、画像伝送用、データ伝送用 | 2.4GHz帯小電力データ通信システム |
②免許及び資格が必要な無線局
無線局免許・無線従事者資格が必要となる無線設備としては以下のようになっています。
周波数帯 | 送信出力 | 利用形態 | 備考 | 無線局免許 | 無線従事者資格 |
1.2GHz帯 | 最大1W | 画像伝送用 | アナログ方式限定 | 必要 | 第三級陸上特殊無線技士以上の資格 |
169MHz帯 | 10mW | 操縦用、画僧伝送用、データ伝送用 | 無人移動体画像伝送システム | ||
2.4GHz帯 | 最大1W | ||||
5.7GHz帯 | 最大1W |
3.アマチュア無線局に関するルール
ここまで紹介した無線設備の他にも、ドローンでは「アマチュア無線」が使用されるケースがあります。
「アマチュア無線」とは、営利目的ではない個人的な訓練または研究によって行う無線通信を指します。
ドローンにおいては、カメラが撮影した映像をモニターに映し出す「FPV」において、5GHz帯のアマチュア無線が使われることが多いです。
このアマチュア無線を使用する際は「アマチュア無線技士の資格」及び「アマチュア無線局免許」の取得が求められます。
「アマチュア無線」とは、営利目的ではない個人的な訓練または研究によって行う無線通信を指します。
ドローンにおいては、カメラが撮影した映像をモニターに映し出す「FPV」において、5GHz帯のアマチュア無線が使われることが多いです。
このアマチュア無線を使用する際は「アマチュア無線技士の資格」及び「アマチュア無線局免許」の取得が求められます。
4.無線の免許・資格が必要となる具体的なケースを紹介
ここまで電波法に基づいたドローンにおける無線局免許や無線従事者資格に関するルールをまとめていきました。
専門的な用語が多く、わかりづらい部分もあったと思いますので、具体的なケースを参照にしながら免許や資格の要不要について解説していきます。
どのようなケースにおいて、免許や資格が必要となるのか把握していきましょう。
①一般的なドローンであれば免許も資格も不要
DJIのような大手メーカーが国内で流通させているドローンの場合、2.4GHz帯の周波数を用いており、送信出力も10mW/MHz以下になっているため、免許や資格は必要ありません。
ドローンに技適マークがついていれば問題なく飛行させられます。
②FPVゴーグルを使ったドローンレース
ドローンレースでは、FPVゴーグルを用いてレースを行います。
FPVゴーグルには、5.8GHz帯の周波数が用いられるため、使用する場合には「第四級アマチュア無線技士」の資格が求められます。ただし、賞金のあるレースに出る場合はビジネス用途(産業用)となるため、無線局の開局と第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要になります。
③産業用ドローンを使用するケース
農薬散布や測量、点検など長距離かつ安定した通信が求められる産業用ドローンには「5.7GHz帯」の電波が用いられているケースが多いです。
このようなドローンを飛行させる場合には「無線局免許」及び「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要です。
④趣味用のドローンでも注意が必要
ホビー用途で使われるドローンでは、免許も資格も不要で飛ばすことができますが、以下に該当する場合には注意が必要です。
・海外からの輸入品
・中古品
・改造した機体
海外で使用されているドローンでは「5.8GHz帯」の周波数を利用しているものも多くあるため、日本で使用するには無線局を開局する必要があります。
※国内のプロポでも5.8GHzの周波数を利用しているものもあるので、海外のドローン=5.8GHzというわけではありません
また、ドローンを改造して出力する電波を強くしたケースにおいても、免許や資格が求められる可能性があります。
知らずに使用していた場合、電波法違反による罰則が科せられますのでご注意ください。
⑤ドローンに携帯やスマホを搭載する場合
携帯やスマホといった移動通信システムは、上空での利用を想定していないため、ドローンに搭載して使用するためには「実用化試験局の免許」を取得する必要があります。
また、既設の無線局などの運用に支障を与えないといった条件もあります。
専門的な用語が多く、わかりづらい部分もあったと思いますので、具体的なケースを参照にしながら免許や資格の要不要について解説していきます。
どのようなケースにおいて、免許や資格が必要となるのか把握していきましょう。
①一般的なドローンであれば免許も資格も不要
DJIのような大手メーカーが国内で流通させているドローンの場合、2.4GHz帯の周波数を用いており、送信出力も10mW/MHz以下になっているため、免許や資格は必要ありません。
ドローンに技適マークがついていれば問題なく飛行させられます。
②FPVゴーグルを使ったドローンレース
ドローンレースでは、FPVゴーグルを用いてレースを行います。
FPVゴーグルには、5.8GHz帯の周波数が用いられるため、使用する場合には「第四級アマチュア無線技士」の資格が求められます。ただし、賞金のあるレースに出る場合はビジネス用途(産業用)となるため、無線局の開局と第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要になります。
③産業用ドローンを使用するケース
農薬散布や測量、点検など長距離かつ安定した通信が求められる産業用ドローンには「5.7GHz帯」の電波が用いられているケースが多いです。
このようなドローンを飛行させる場合には「無線局免許」及び「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要です。
④趣味用のドローンでも注意が必要
ホビー用途で使われるドローンでは、免許も資格も不要で飛ばすことができますが、以下に該当する場合には注意が必要です。
・海外からの輸入品
・中古品
・改造した機体
海外で使用されているドローンでは「5.8GHz帯」の周波数を利用しているものも多くあるため、日本で使用するには無線局を開局する必要があります。
※国内のプロポでも5.8GHzの周波数を利用しているものもあるので、海外のドローン=5.8GHzというわけではありません
また、ドローンを改造して出力する電波を強くしたケースにおいても、免許や資格が求められる可能性があります。
知らずに使用していた場合、電波法違反による罰則が科せられますのでご注意ください。
⑤ドローンに携帯やスマホを搭載する場合
携帯やスマホといった移動通信システムは、上空での利用を想定していないため、ドローンに搭載して使用するためには「実用化試験局の免許」を取得する必要があります。
また、既設の無線局などの運用に支障を与えないといった条件もあります。
5.まとめ
ドローンを飛行させるときに求められる無線の免許や資格について解説しました。
一般的なドローンの場合、飛行させるにあたって免許や資格は不要となっていますが、輸入品や改造した機体など、例外も存在するので注意する必要があります。
どのようなケースにおいて、免許や資格が求められるのかを把握して、法律に適合した運用をしていきましょう。
なお、業種は異なりますが、最近でも免許を受けずに無線局を開設し、摘発された事例もあります。
<社交飲食店で運用されていた不法無線局を摘発>
https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/press/2020/1117k1.html
一般的なドローンの場合、飛行させるにあたって免許や資格は不要となっていますが、輸入品や改造した機体など、例外も存在するので注意する必要があります。
どのようなケースにおいて、免許や資格が求められるのかを把握して、法律に適合した運用をしていきましょう。
なお、業種は異なりますが、最近でも免許を受けずに無線局を開設し、摘発された事例もあります。
<社交飲食店で運用されていた不法無線局を摘発>
https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/press/2020/1117k1.html